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英語世間話、これ英語でどう言うの?

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「もう帰るの」の英語は日本語と全く同じではない

2016年03月30日

 


 英語にも、「もう帰るの」に相当する決まり文句はある。

 

 

Are you leaving so soon?

 

You are leaving so soon.

 

 

疑問形で言ったり、肯定形で言ったりする。今現在、起っていることであるから現在進行形で、「もう」にあたるのがso soon(こんなに早く)だ。

 

が、しかし、これらの英語の言い回しのニュアンスは日本語と少し違うところがある。

 

日本語では、「もう帰るの」と親しい友人や恋人が言うのと、課長が若手社員に「おい、もう帰るのか」と言うのでは、込められている感情はまったく異なる。一方は、名残惜しさの表現だが、もう一方は仕事が立て込んでいるときに定時に帰宅する課員への嫌みだ。

 

英語のYou are leaving so soon/ Are you leaving so soon?は、日本語のように二つの異なる感情を内包してはない。たとえば、アメリカのオフィースで、社員が

 

 

 I’ve got to leave now. My parent are visiting me.

帰らなければなりません。親が訪ねてくるので。

 

 

と言って、さっさと帰宅しても、ボスや同僚が嫌みでYou are leaving so soon.などと言うとはまずない。「ああそうかい」という感じで、“OK. Have a good evening.”と言ったりする。

 

そもそもアメリカの会社では一般社員がだらだらと残って仕事をすることはない。年俸制で高い報酬をもらっている管理職を除いて、平社員は誰もが、ほぼ定時に帰宅する。家族と過ごす時間は、彼らにとって重要だからだ。6時、7時には家に帰っている。自分ひとりだけ定時に帰宅する気まずさなどまったくない。このあたりは、日本と違う。上司が嫌味をこめて、こうした言葉を発することはない。

 

Are you leaving so soon?という言葉が使われるのは、遠方からの知人、友人が短い滞在期間で帰るときだ。名残惜しさを表す場合である。たとえば、アメリカの友人、知人のところに滞在していたが、早々に帰国しなければならないというようなときだ。

 

 

You are leaving so soon. You stay longer next time.

もう帰るの。次回はもう少しゆっくりしろよ。

 

I’m sorry that you are leaving so soon.

もう帰ってしまうのは残念だ。

 

 

このことば、本心でいっている場合もあるし、単なるcourtesy(儀礼やあいさつ)で、言っている場合もある。そんなことを詮索してもしょうがない。額面どおり、名残惜しんで、言ってくれていると思っていればよい。

 

ただ、アメリカにはこんな格言があることも頭に入れていた方がいい。

 

 

 Fish and guests smell after three days.

  魚と来客は3日たてば臭いだす。

 

 

アメリカの知り合いのところに泊めてもらうのは、3日ぐらいにしておくのがいいということだろう。

 

 

 

(引野剛司・甲南女子大学教授 3/30/2016)

 

  ここで紹介した表現は、米国での複数の実用例に基づいています。その他の実用例や関連表現は実用・現代用語和英辞典(本体)www.waeijisho.net)をご覧ください。

 

 

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