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英語世間話、これ英語でどう言うの?

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ヒアリに「刺される」「噛まれる」 どっち。英語では

2017年07月16日

 

 

「刺される」と、激しい痛みを感じるというやっかいなアリが日本にも上陸しており、このところニュースでよく取り上げられています。

 

「刺されると」と書きましたが、ヒアリは「刺す」と言うべきなのか、それとも「噛む」なのかが気になりました。英語ではどうなのでしょうか。

 

英語では、蚊やアリ、ダニなど「虫に刺れ、噛まれることは」ひとくくりにしてinsect biteと呼んでいます。

 

biteは「噛むこと」「噛む」ですから、直訳すれば「虫噛み」で、日本語では一般的には「虫刺され」と「刺す」を使っており、対照的です。

 

 ただし、英語では、同じ虫でも蜂だけにはbiteを使わず、sting(針、刺す)を使います。「ミツバチにさされること」はbee stingで「スズメバチ」だとhornet stingと表現します。

 

 というわけで、「アリに噛まれた」「アリに刺された」はいずれも、

 

 

 

 I was bitten by ants.

 

 

 

biteで表現するのが日常語的です。「ヒアリに噛まれた」「ヒアリに刺された」も同じように、

 

 

 

 I was bitten by fire ants. もしくは

 

 I got bitten by fire ants.

 

 

 

と言います。蚊は刺すものですが、「蚊に刺された」を

 

 

 I was bitten by mosquitos.

 蚊に噛まれた(蚊に刺された)

 

 

 

と言うのと同じです。

 

「ありに噛まれること」「アリの噛み傷」ならant biteで「ヒアリに噛まれること」ならfire ant biteです。日本語ではこういう言い方はしないのですが、英語ではごく一般的です。NIHとして世界的に有名な米国国立衛生研究所の米国医学図書館サイトの一般向けの文書も、fire ant bitesと表現していました。

 

 

 

Bee, wasp, and hornet stings and fire ant bites usually hurt."Insect bites and stings," MedlinePlus,U.S. National Library of Medicine, National Institutes of Health 7/10/2017

ミツバチやアシナガバチ、スズメバチに刺されたり、ヒアリに噛まれると、通常は痛い。

 

 

 

NIHとならぶ米国医療界の権威、疾病管理センター(CDC)傘下の国立職業安全健康研究所のサイトで見つけた文書には、bite(噛む)とsting(刺す)の両方動詞が同時に使われていました。

 

 

 

Fire ants bite and sting. They are aggressive when stinging and inject venom, which causes a burning sensation. Red bumps form at the sting, and within a day or two they become white fluid-filled pustules."Fire Ants," INSECTS AND SCORPIONS,The National Institute for Occupational Safety and Health (NIOSH),Centers for Disease Control and Prevention 7/1/2016

ヒアリは噛み、刺します。彼らは攻撃的になり、刺し、毒を注入すると、灼熱感を覚えます。刺されたところは赤くふくれあがり、12日のうちに、それは白い液体の膿疱となります。

 

 

 

次の労働省職業安全衛生局のサイトでみつけた文書では、ヒアリは「噛んで」から、「刺す」と説明しています。

 

 

 

Fire ants attack anything that disturbs their mound (nest).  They firmly grasp skin with their jaws, and then sting and inject venom.("Protect Yourself! Workers may be exposed to Fire Ants," FACT SHEET, Occupational Safety and Health Administration, U.S. Department of Labor, Accessed on 7/12/2017)

ヒアリは塚(巣)を乱すものはすべて、攻撃する。彼らはしっかりと顎で皮膚をつかみ、刺して、毒を注射する。

 

 

 

ということは、英語ではfire antbitestingのいずれでも表現されていることになりますが、どちらかというと日常会話のレベルではbiteが使われているようです。

 

ちなみに、日本の環境省の文書には「刺す」「刺される」を使っています。新聞も「刺される」と書いているようです。ヒアリには毒針があり、この針を「刺す」からでしょう。

 

 

 

(引野剛司・甲南女子大学教授 7/16/2017)

 

 →「ヒアリ拡散への心配、高まっている」英語で

 

 

  ここで紹介した表現は、米国での複数の実用例に基づいています。その他の実用例や関連表現は実用・現代用語和英辞典(本体)www.waeijisho.net)をご覧ください。

 

 

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