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英語世間話、これ英語でどう言うの?

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「がまんの限界を超えるものを」英語では「最後のわら(last straw)」と言う

2018年11月27日

 

 

日産自動車のゴーン会長解任劇で、「最後の藁(last straw)」という言葉が頭によぎりました。英語では「がまんの限界を超えるものを」英語では「最後のわら(last straw)」と呼びます。

 

「我慢の限度」はlimit of toleranceも使われているのですが、last strawもよく見かけます。こんな風にwhenと組み合わせて使われています。

 

 

 

The last straw occurred when ….

 

 

直訳は「~があった時に最後の藁が起こった」ですが、「~という状況になり、それが我慢の限度となった」という意味です。実例を二つ。

 

 

 

The “last straw” occurred when her supervised harassed her “multiple times” throughout the day.

(ANGELA KOERBER, “Petitioner v.SOMERVILLE RETIREMENT BOARD, Respondent, “Division of Administrative Law Appeals, Commonwealth of Massachusetts 8/4/2017)

上司が1日中「複数回」にわたり彼女に嫌がらせしたときに彼女の「我慢の限度」が来た。

 

 

 

 

The last straw occurred when an American Marine officer was killed and other Americans were assaulted.

David Stieghan,"Remembering Operation Just Cause,"U.S.Army 12/16/2014

米海兵隊士官が殺害され、他のアメリカ人も襲撃され、我慢の限度を超えた。

 

 

 

このlast straw、英語のことわざから来ています。

 

 

 

It is the last straw that breaks the camel's back.

それは、ラクダの背を潰す最後の1本のわらだ。

 

 

 

積み荷を限度まで背に積み上げられたラクダは、わずか藁1本が追加されるだけで、潰れてしまうので、過度を慎むようにという格言です。

 

「これが我慢の限界だ」「もうこれ以上我慢がならない」と日本語では表現する時に、このことわざがそのまま、頻繁に使われています。例をあげます。

 

 

 

 

To levy a tax on culture may be the last straw that breaks the camel's back.

("TAX, TAX, TAX," Orlando Sentinel; Orlando, Florida 1/27/1991)

文化への課税は我慢の限度かもしれない (文化への課税はラクダの背をつぶす最後の藁かもしれない)。

 

 

 

 

We could accept that but possibly they are the last straw that breaks the camel's back ... We both regretted the escalation of hostilities on both sides of the channel.

(James Meikle, "The food war: A taste of diplomacy at the French embassy," The Guardinan, London 10/29/1999)

私たちはそれを受け入れることができましたが、おそらくそれらは我慢の限界です。双方とも、海峡の両側で敵対関係がエスカレートするのを残念に思っていました。

 

 

 

ゴーン会長の行動は「我慢の限界を超えた」と日産の幹部が述べた報道されています。

 

たとえ破綻から救った有能経営者であったとしても、会社の利益よりも個人の利益を優先しだす行動が目に余りすぎると、どこかで「怒り」が限界点に達するのはごく自然の流れでしょう。

 

こうした日産社内の雰囲気を表すぴったりの表現がありました。

 

 

 

"There's a feeling, not without reason, that it might be the last straw that breaks the camel's back."

Issam Ahmed, "Raymond Davis: Pakistan delays ruling on jailed American," The Christian Science Monitor, Boston, Mass 2/17/2011

理由がないわけではなく、それは我慢の限度かもしれないという感情がある。

 

 

 

英語のことわざのlast strawは「ごく軽いもの」でもという意味です。が、日産の場合のlast strawはとてつもなく「重いもの」だったようです。報道を見る限りでは、ゴーン氏が個人の利益、保身のために日産側の立場にたたなくなり、日産をルノーの完全支配下に置く動きをしているという懸念でしょう。

 

この動きが、逆噴射して日産というラクダを潰すlast strawにならないことを願うばかりです。

 

 

(引野剛司・甲南女子大学名誉教授 11/27/2018)

 

 

ここで紹介した表現は、複数の実用例に基づいています。その他の実用例や関連表現は実用・現代用語和英辞典(本体)(www.waeijisho.net)をご覧ください。

 

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