時事語、話題語、ビジネス・暮らしのことば、日常語に対応する今アメリカなどで使われている英語がみつかります

  • 最新現代用語和英辞典とは
  • 頭文字からさがす

英語世間話、これ英語でどう言うの?

エッセイ一覧

「神社で開運祈願をする」を英語で言う

2018年12月31日

 

 

「開運」は和英辞書にはcultivation of one’s fortuneとかimprovement of one’s fortuneという訳語が載っています。

 

これをもとに、「開運を祈願した」をI prayed for the cultivation of my fortune (私の運の修得を祈った) とすると、言おうとしていることは分かってもらえるでしょうが、英語社会で暮らしている人々には、日々あまり耳にしない言い方となります。

 

日本語では、「開運を祈願する」という言い方をしますが、英語では「幸運を祈る」と表現するのがごく一般的です。つまり

 

 

 

pray for good luck

pray for good fortune

 

 

です。Luckは「運命」「運」であることはご承知の通りです。fortuneは文脈によって「富」「財産」という意味になったり、「運」という意味になったりすることは、説明する必要はないでしょう。この言い方が「開運を祈願する」に相当する英語の自然な言い方です。

 

ですから、「神社で開運祈願します」なら

 

 

 

I pray for good fortune at a Shinto shrine.

I pray for good luck at a Shinto shrine.

 

 

 

がナチュラルな英語です。

 

神社ではなくお寺で開運の祈願をするなら、Shinto shrineを Buddhist templeとすればいいだけのことです。余談ですが、われわれは神社の場合にはshrine、仏教のお寺の場合はtempleとするのが英語を習いだして以来、頭に擦りこまれていますが、Shinto temple, Buddhist shrineという言い方もします。

 

たいていは、開運の祈願をするのは初詣で、「新年の開運祈願をする」というのが、日本人の習わしでしょうから、「元旦に近所の神社に詣で、新年の開運祈願をします」を言うなら

 

 

I’m going to visit a Shinto shrine in my neighborhood on the New Year’s day and pray for  good fortune in the new year.

 

 

あたりがいいでしょう。 In the new yearのところをfor the new yearとすることもできます。

 

 

I pray for good fortuneの実例を一つだけ紹介しておきます。中国の旧正月の模様を報じたアメリカのVoice of Americaの記事です。日本の正月と全く同じ光景が描かれています。

 

 

 

 

In China, thousands gathered at Beijing's temples to light incense and to bow as they prayed for good fortune and health.

("With Incense and Prayer, Lunar New Year Arrives," Voice of America News 1/28/2017)

中国、北京では、何千人もの人々が寺院に出かけ、開運と健康を祈願し、線香に火をつけ、頭を下げた。

 

 

 

ところで、”cultivation of fortune”という言い方が使われているかどうかを、アメリカの新聞・雑誌、学術論文、その他出版物のデータベースで調べてみました。

 

一件だけですがヒットしました。Xun Liuという中国人と思われる著者がBaltimoreという雑誌(2015年12月号)のLate Imperial Chinaという特集への寄稿のなかで使っていました。

 

When she was still a child, Qingwei was given to the Cloister for Double Cultivation of Fortune and Wisdom (Fuhui shuangxiu an) a Buddhist nunnery located near the eastern gate of the walled Liangxi city (present-day Wuxi) (後略).

(Xun Liu,“OF POEMS, GODS, AND SPIRIT-WRITING ALTARS: THE DAOIST BELIEFS AND PRACTICE OF WANG DUAN (1793-1839),” Late Imperial China, Baltimore, December 2015)

インウェイさんがまだ子どもだった時に、彼女は福慧双修修道院に預けられた。城壁で囲まれた梁渓区(現在の無錫)の東門の近くに位置する仏教の尼寺だ。

 

「福慧双修」とは、福も知恵も共に養うという考え方のようで、double cultivation of fortune and wisdomが英語の定訳のようです。

 

ということで、みなさま良いお年をお迎えください。福と知恵と、健康に恵まれる年になりますように。

 

 

(引野剛司・甲南女子大学名誉教授 12/31/2018)

 

 

ここで紹介した表現は、おもに米国での複数の実用例に基づいています。その他の実用例や関連表現は実用・現代用語和英辞典(本体)(www.waeijisho.net)をご覧ください。

 

ページトップに戻る