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英語世間話、これ英語でどう言うの?

エッセイ一覧

「体調」はfeelやshapeで表現する

2009年08月06日

今朝の日経の別刷りに「夫婦がほれ直す」のはどんな時かというミニ調査が載っていて、「体調が悪いときに気遣ってくれる時」というのが、夫、妻とも第二位だった。一位は、妻は「感謝の気持ちを言葉や態度で表わしてくれる時」、夫は「おいしい料理を作ってくれる時」にほれ直すで、私も夫の一人として、まあ納得のいく結果がでていた。

相手の体調に気を配るというのは、夫婦に限らなくても、いい人間関係の潤滑油みたいのものだ。体調が悪いときに、相手が気遣いをみせてくれと嬉しいし、逆に、体調が悪いのに、それに気づいてくれないと悲しい。

お互いに健康状態を見るというのは人と人とのつながりのスタートで、英語を話している人々の世界では、人が出会ったとき、ここからコミュニケーションを取り始めるという言語習慣が出来上がっている。そういう意味では彼らの社会は人間関係の基本を踏まえている。

それが誰もが知っている英語のあいさつの基本”How are you?”だ。これは相手の健康状態を尋ねる言葉。形骸化された儀礼的な言葉のよう思えるかもしれないが、われわれが想像するほど、形式的なものではないと私などは思っている。

というのは、こう聞かれて、たいては”Fine.”とか”I’m fine.”と答えるのは周知のところ。たとえ、自分の体調がいまひとつであっても、こう答える。こう答えるのが相手に心配をかけないようにするという気配りで、英語を話す世界でも同じ。しかし、相手がどういう状態かは、見ればおおよそ見当がつくから、おやと思うと

Are you sure? 
ほんとうにそうなの
Are you really feeling OK?
ほんとうに大丈夫なの
You don’t look well.
よさそうには見えないけど

などと会話が続いていく。アメリカのテレビの犯罪捜査もののシリーズドラマなんかに、こんなやりとりはしょちゅうでてくる。体調が今ひとつでも、それを周りに気づかせないようにしながら一生懸命に捜査に没頭する刑事。周りは刑事の体調をわかっていながら、まあ暖かく見守るという構図は陳腐化しているが、それでも視聴者としては仕事への情熱に共感する。

体調をいう英語はphysical conditionだけれど、日々の暮らしのなかでの人の体調をいう言葉としてはあまり使わない。「体調がいい」はI’m fine.か I feel well.か I feel OK.あたりが日常的だろう。

「体調がいまひとつ」なら、I’m not feeling well.

など、とにかくfeelを使って体調を言うことが多い。かなり気分がすぐれないと、

I feel ill.
気分がすぐれない

という。もう一つ「体調」をいうのにshapeがよく使われる。

これは「体の形」のことで、「体調がいい」ことを彼らは「体の形がいい状態にある(be in good shape)」と表現する。たしかに、体調がよれければ、なんとなく体の形はいいように見えないことはない。釣り好きが生きのいい大物を釣り上げて「これはいい形をしている」というのに似ている。 「ニューヨークタイムズ」のバスケトボールの記事で、

"I think I'm in good shape and I'm moving pretty well.”
「体調は良いと思うし、かなりよく動いている」

という選手が自分の体調についてin good shapeと語っているのを見つけた。体調が「ものすごくいい」とin excellent shapeかin pretty good shapeというふうにexcellentやpretty goodを付け加え、逆に悪いと、not in good shapeやin bad shapeと言う。

good shapeやbad shapeは個人の「体調」を語る時だけではない。スポーツでは、選手やチームの好調・不調を言うのにも使われるし、国の経済の調子や一国全体の調子などをいうのにも使われるかなりの万能選手だ。まあこの世の物はすべて、形が整っていれば好調だし、形が崩れていれば調子はよくないと英語の世界では見ているからだろう。
 


(ひきの・たけし)

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