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英語世間話、これ英語でどう言うの?

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「アクセルを踏む」「ブレーキが効かない」...

2010年03月20日

 

 トヨタ車の品質にはけっこう満足している。トヨタのマークIIから、アメ車乗りたさにフォードに乗り換えたものの、その故障の多さにがく然とし、トヨタに戻って8年たった。いまも気持ちよく乗っている。

 

リコール問題で「あのトヨタがどうして」。なんせアクセルとブレーキという車の基本で不具合。「何年、車、作ってんねん」と関西弁で叫びたくなる。マンモスとなり、体質が変化しだした兆候なのかとも思った。

 

トヨタ関連の記事が「ニューク・タイムズ」でも増えおり、アメリカ人の自動車への関心は並々ならないことを改めて感じ取っている。と同時に、車のごく初歩的な言葉で、結構、学ぶところがあった。

 

たとえば、「アクセル」は、acceleratorよりもaccelerator pedal(アクセルペダル)ときちんと表現していることや、口語的なgas pedalもお硬い文脈でも使われていることがわかった。

 

「アクセルを踏む」は日常語ではstep on the gas pedalだが、もうひとつ見慣れない言葉がよく使われていた。

 

depressというやつで、トヨタの発表に基づいた記事などではこればかりだ。depressとは「押し下げる、下へ押す」だから、アクセルを「踏み込む」は「押し下げる」に違いない。ブレーキもクラッチも踏むという動作は同じだから、depressが使われる。

 

ほかにも「突然の急加速」は、unintended acceleration(意図しない加速)、「ペダルを踏んでも十分に踏み込めない」は the accelerator pedal is harder [difficult] to depress than normal.と日本語発想との表現の違いを次々と見せつけられた。

 

プリウスのブレーキの問題の「瞬間的に効かなくなる」は「車」を主語にしたときは、lose(失う)をこんな按配で使っていた。

 

The vehicle temporarily lost braking.

The car momentarily loses the ability to brake.

 

「ブレーキ」を頭にして「ブレーキが効かない」は、

Brakes go out.あるいはBrakes don’t engage.などだ。

 

ブレーキは4本のタイヤすべてにかかるものだからだろう、brakesと複数形で使うことなども日本語話者は存外気がつかないだろうと思いながら読んだ。

 

とまあ、利害のほとんどないぼくにとってのトヨタのリコール騒動は、車にかかわる言いまわしが日本語と英語ではこんなに違うのかと改めて認識させられる機会となった。

 

(発出:Mainichi Weekly 3/20/2010 ひきの・たけし)

 

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