時事語、話題語、ビジネス・暮らしのことば、日常語に対応する今アメリカなどで使われている英語がみつかります
2016年05月30日
日本の「消費税」は、欧米の英語メディアも、米国の政府文書でも、日本語をそのまま訳したconsumption taxが使われている。
「消費税」に当たるものはアメリカではsales tax(販売税)、英国など欧州ではVAT(value added tax 付加価値税)と呼ばれており、これらで日本の消費税を表現することもある。報道機関に多い。自国の読者にはわかりやすいからだ。
「消費税引き上げ」は consumption tax increase や consumption tax hike と日本語と同じ語順で名詞を重ねて表現するできる。これを使えば「消費税引き上げは再延期された」は次のようにシンプルに言える。
The consumption tax increase was postponed again.
The sales tax hike was pushed back again.
The consumption tax hike was delayed again.
「延期する」「先送りする」は多くの人になじみのあるpostponeの他にpush backというtwo-word verb(二文字動詞)もいい。消費増税の「延期」という言葉が日本のメディアでは広く使われているため、すぐに思いつかないかもしれないが「遅らせる」という意味のdelayも使える。
ざっくりと表現するのではなく、「予定されていた消費税率の10%への引き上げが再度延期された」と少し詳しくいうなら
A scheduled increase in the consumption tax rate to 10 percent was postponed again.
A planned sales tax rate hike to 10 percent was pushed back again.
どれぐらいの期間、延期するのかは現時点では確定していないようだが、安倍首相は2年半を考えているという報道がある。仮に2年半だとして、「2017年4月に予定されていた消費税の10%への引き上げは2019年10月まで2年半延期された」というなら、
The consumption tax hike to 10 percent, scheduled in April 2017, was postponed for two and half years until October 2019.
2年半で、日本の景気がよくなればいいのだが。
その他の実用例や関連表現は実用・現代用語和英辞典(本体)(www.waeijisho.net)をご覧ください。
(引野剛司・甲南女子大学教授 5/30/2016)