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「天皇陛下が退位する」英語では

2017年12月08日


 

 2019年の430日に、天皇陛下の退位が決まりました。国王がその地位から退く、つまり「退位する」を言う英語はabdicateが一般的です。

 

 これを使うと「天皇陛下は2019430日に退位する」は、

 

 

 Emperor Akihito will abdicate on April 30, 2019.

 

 

となります。現在の天皇を言う場合、日本語では、「天皇陛下」とか「天皇」とだけ表記しますが、英語では、その名前とともに表記するのが通例で、Emperor Akihito(明仁天皇)とします。英国のエリザベス女王をQueen Elizabeth IIと表記するのと同じです。 昭和天皇ならEmperor Hirohito(裕仁天皇)です。ちなみに日本の英字メディアはEmperor Showaとしています。

 

「天皇」ではなく「天皇陛下」と敬意を強調するなら、 His Majesty  the Emperor と敬称をつけます。宮内庁や首相官邸など政府の英語サイトには、これが使われていますが、ニュース報道などでは通常は使われていません。

 

 「退位する」は別の言い方でもできます。企業の会長や社長などが「退任する」ときに使われるstep downを用いたstep down from the throneが使えます。Throneとは「王の座る椅子」つまり「玉座」であり、「王位」「皇位」そのものも指します。

 

ですから、これを使って「天皇は2019430日に退位すると政府は発表した」を言うなら、

 

 

 

  The government announced that Emperor Akihito will step down from the throne on April 30, 2019.

 

 

 となります。日本の「皇位」にはChrysanthemum Throne(直訳は「菊の皇位」)を欧米メディアはよく使います。日本の皇室の紋章が菊(chrysanthemum)だからです。

 

 天皇陛下の生前退位が決まったのは、天皇自身のお気持ちが最大限汲まれたためで、このあたりを英語で言うなら、BBCのニュースの表現が参考になります。

 

 

The 83-year-old emperor had said last year that his age and health would make it difficult to fulfil his duties. (“Japan's Emperor Akihito to abdicate in April 2019,” BBC News 12/1/2017)

 年齢と健康状態で公務をまっとうするのがむずかしくなった、と83歳の天皇は昨年述べた。

 

 

 

ちなみに、天皇陛下のおことばは、「既に80を越え,幸いに健康であるとは申せ,次第に進む身体の衰えを考慮する時,これまでのように,全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが,難しくなるのではないかと案じています」でした。BBC Newsはこれを簡潔に表現しています。

 

今上天皇の生前退位は、皇室典範の特例法によって可能となったので、このあたりを英語で言うなら、

 

 

 

  A special law was enacted to allow Emperor Akihito to abdicate.

  明仁天皇の退位を可能にする特例法が制定された。

 

 

 

となります。ちなみこの法律は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」で、その英訳は、まだ正式訳が決まっていないためでしょうか、国会、首相官邸や宮内庁、法務省のホームページにはみあたりませんでした。しかし、日本新聞協会と経団連(現在は日本経団連)の共同出資の公益法人Foreign Press Center JapanのサイトにはA special provision to the Imperial House Law allowing the abdication of the emperorとの英訳がありました。

 

 

 

(引野剛司・甲南女子大学教授 12/8/2017)

 

 

  ここで紹介した表現は、米国での複数の実用例に基づいています。その他の実用例や関連表現は実用・現代用語和英辞典(本体)www.waeijisho.net)をご覧ください。

 

 

 

 

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