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航空機内での子犬の死、Heartbreaking story(胸が痛む話)として全米で大きな話題となっている

2018年03月16日

 

 

 Pet is a member of family. ― 「ペットは家族の一員」という気持ちはペットを飼っている人(pet owners)には強い。

 

アメリカでも同じで、ペットのステータスはcompanion (友)、furry friend (毛むくじゃら友)から、full-fledged family member(完全な家族の一員)となっている。旅行はペットとともに出かけ、航空会社は客室へのペットの持ち込みを認めている。

 

 そんなアメリカで、3月12日、航空機機内で子犬が死んでしまう事故が起こった。New York Times、Washington Postなど主要紙、ABCやCBS、NBC、CNNなど全米ネットワークのテレビが報じ、SNSでもheartbreaking storyとしてペットの悲劇がささやかれている。

 

 カタリーナ・ロブレド(Catalina Robledo)さんは、11歳の娘と生後2か月の息子と、10カ月のオスの黒のフレンチブルドッグ(French bulldog)のコキート(Kokito)を連れてユナイティッド航空Flight 1284でテキサス州ヒューストンからニューヨークに向かった。3時間半のフライトだ。ペット持ち込み料金の125ドル(約13,300円)を払い、コキートはTSA(米運輸保安庁)が認定のペット用キャリーバッグ(pet carrier)の中に入っていた。

 

 バックは前の座席下に置かれていたが、フライトアテンダントは、頭上の荷物だな(overhead bin, overhead compartment)に置くようにと指示をした。

 

ロブレドさんは、

 

 

 ‘My dog is in here, no, this is my dog.’ (LIAM STACK”United Airlines Apologizes After Dog Dies in Overhead Compartment,” the new York Times 3/13.2018)

 

 

 と、足元にペットを置いておきたいと頼んだが、客室乗務員は会社のポリシーだとしてキャリーバックを頭上の棚に移動させるように強く求めた。

 

  ニューヨークのラガーディア空港に到着すると、コキートは動かなくなっていた。荷物棚の中で窒息状態になったのでは、との獣医の言葉が報道されている。

 

 ユナイティッド航空の規定では、ペットのキャリーバッグは座席下に置けばよく、頭上の荷物だなに置くことを求めていない。ユナイティッド航空は非を全面的にみとめ、次のようなステートメントを全米に向け発表した。

  

 

 “This was a tragic accident that should never have occurred, as pets should never be placed in the overhead bin. We assume full responsibility for this tragedy and express our deepest condolences to the family and are committed to supporting them.”

 

 これは起こってはならない悲劇的な事故でした。ペットは頭上の荷物だなに置くべきではありません。弊社はこの悲劇の全面的な責任を負い、ご家族に心からお悔みを申し上げ、ご家族を支える決意です。

 

  この事故をうけ、ニュヨークの地方検察局は「動物虐待」で起訴できるかの検討に入り、ルイジアナ州の州上院議員は、ペットを頭上荷物棚に置くように指示することを違法とする州法を提案したなどの報道がなされている。

 

 アメリカでは人権のみならず、動物の権利もいかに大切にされているかがわかる事故だった。

 

 

(引野剛司・甲南女子大学教授 3/16/2018)

 

 

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